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ニキビ・毛穴・酒さに効果的な内服治療|イソトレチノインを医師がわかりやすく解説

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繰り返すニキビや赤ら顔、毛穴の開きに悩んでいませんか?

「何をしてもニキビが治らなくて悩んでいる」
「同じ場所に繰り返し炎症ができる」
「ニキビがひどくて、人前で自信が持てない」
「毛穴の開きや皮脂のテカリがずっと気になる」
「赤みやブツブツがよくならない」

そんなお悩みの背景には、皮脂の過剰分泌慢性的な炎症が潜んでいることが多くあります。
これらに対して根本的に働きかけることができるのが、『イソトレチノイン』という内服薬です。

今回は、患者様から特にご相談の多い「繰り返すニキビ」「毛穴の開き」などの肌トラブルに対し、根本から改善を目指す内服薬”イソトレチノイン”について解説いたします✏️

イソトレチノインとは?

皮脂腺に直接作用する“根本治療薬”

イソトレチノインは、ビタミンA(レチノール)の誘導体で、皮脂腺そのものを小さくする作用を持つ内服薬です。1982年にアメリカFDA(食品医薬品局)が「重症ニキビ」に対して承認して以来、世界中で使用されてきた信頼性の高い治療薬です。

これまでの外用薬や抗生物質が「炎症を抑える」治療だったのに対し、
イソトレチノインは「皮脂を作らせない」ことでニキビの再発を防ぐ根本的アプローチを可能にします。

イソトレチノインの主な作用

  1. ・皮脂の分泌を抑制

  2. ・皮脂腺の縮小による毛穴開きの改善

  3. ・毛穴の詰まりの正常化

  4. ・アクネ菌の増殖抑制、炎症鎮静

  5. ・皮脂由来の赤み、テカリを軽減

これらの作用により、ニキビ・毛穴・酒さ(赤ら顔)といった皮脂関連トラブルを総合的に改善します。

ニキビ・毛穴・酒さへの応用

重症・難治性ニキビ

炎症を伴う結節性・嚢胞性ニキビなど、外用薬や抗菌薬で改善しなかった症例にも高い効果を発揮します。
臨床試験では、3〜6か月の服用で80〜90%の改善率が報告されています。治療終了後も再発率が低く、「人生が変わった」と感じる方も少なくありません。

毛穴・皮脂トラブル

皮脂腺を直接縮小させることで、鼻や頬の毛穴開き・皮脂テカリを軽減。
皮脂が減ることで黒ずみも目立ちにくくなり、キメの整った肌に導きます。

膿疱型酒さ(赤ら顔)

酒さは、皮脂・血管拡張・炎症が関与する慢性皮膚疾患です。イソトレチノインは抗炎症作用+皮脂抑制作用を持つため、赤み・膿疱型酒さ(にきび様のブツブツ)に有効とされています。

副作用と注意点

イソトレチノインは効果が強力な分、医師の管理下で安全に使用する必要があります。

肝機能、脂質異常:一時的な肝機能上昇や中性脂肪増加がみられることがあります。
皮膚・粘膜:乾燥、唇のひび割れ、鼻の乾燥(鼻血)など
催奇形性:妊娠中・授乳中の使用は禁止。服用中および中止後も一定期間は避妊が必要です。
その他:頭痛、関節痛、気分変化などがまれに報告されています。

当院での治療の流れ

渋谷内科スキンケアクリニックでは、
安全性と効果を両立するため、以下のような流れで治療を行います。

  1. 診察 問診+血液検査

  2. 服用開始 20mg/日の低用量からスタート

  3. 2〜3か月に1回 採血+経過確認

  4. 通常6〜12か月で治療完了(個人差あり)

    直近6か月以内の健康診断結果をお持ちの方はご持参ください。

    🌿当院は内科専門医が在籍しており、イソトレチノイン服用中の定期採血や肝機能・脂質のフォローアップまで一貫して行うことができます。安全に治療を継続できる体制を整えています。
    🌿オンラインでの処方も行っております。

海外のエビデンスとガイドラインでの位置づけ

イソトレチノインは、欧米では重症ニキビ治療の第一選択薬として位置づけられています。
近年では、酒さや毛穴開大などにも応用され、その有効性を示すエビデンスが増えています。2016年のランダム化比較試験では、低用量イソトレチノインが酒さの炎症性皮疹を有意に改善[Rademaker M et al., 2016]。2024年のメタ解析では、紅斑・丘疹・膿疱の有意な減少と安全性が報告されています[Rong G et al., 2024]。米国・欧州の皮膚科学会ガイドラインでも、難治性ニキビ・酒さへの有効な治療オプションとして明記されています。

服薬中のスキンケアポイント

  • 洗顔はやさしく:泡でやさしく摩擦は避けましょう。
  • 保湿をしっかりと:低刺激・ノンコメドジェニックタイプの化粧品でしっかり保湿を。唇などの粘膜は乾燥しやすいので、ワセリンなどでやさしく保護しましょう。
  • UV対策を徹底:冬でもSPF30以上の日焼け止めを。


  • 乾燥や赤みを放置すると悪化するため、

  • 「保湿+紫外線ケア+刺激回避」が基本です。

まとめ:専門医の管理のもとで、安全に“肌質改善”

イソトレチノインは、「繰り返すニキビ」や「毛穴の開き」、「ぶつぶつを伴う赤ら顔(酒さ)」など、
皮脂と炎症が関わる肌トラブルに対する根本的な治療法です。

効果が高い一方で、副作用にも注意が必要なため、
自己判断での使用は避け、医師の診察と定期的な血液検査のもとで行うことが大切です。

渋谷内科スキンケアクリニックでは、内科・皮膚の両面から全身を確認し、
安全かつ確実に「肌質改善」へ導く治療を行っています。

繰り返すニキビや毛穴、赤ら顔でお悩みの方は、当院へぜひ一度ご相談ください。

参考文献

  1. Layton AM et al. Isotretinoin for severe acne. J Am Acad Dermatol. 1993;29(5):735-742.

  2. Rademaker M et al. Low-dose isotretinoin for difficult-to-treat papulopustular rosacea. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2016;30(11):1953-1959.

  3. Rong G et al. Low-Dose Isotretinoin in Rosacea: A Systematic Review and Meta-Analysis. Front Pharmacol. 2024;15:1392512.

  4. Thielitz A et al. Isotretinoin—Modes of action and their relevance for clinical practice. Dermatology. 2021;237(1):59-66.

  5. Zaenglein AL et al. Guidelines of care for the management of acne vulgaris. J Am Acad Dermatol. 2016;74(5):945-973.